夏の感想文

2024年09月09日

初夏から秋にかけて一番目に焼き付いているのは、モンゴルからチベットにかけて、ヤクを引きながら徒歩で旅したニセ僧侶の話。「天路の旅人」は沢木耕太郎の一番新しい書で、戦時中の日本人スパイの足跡を追いかけたノンフィクションの話だった。スパイの男は愛国心のあまり立身出世で南満州鉄道に入社して、そのままスパイになってしまった。ラマ僧に扮して当時敵国だった中国の西域まで歩いていき、乞食同然の暮らしをした。旅の途中に終戦を知らされ、それでも、そのまま本部に戻ることなく赴くままにインドのカルカッタまで旅をつづけた。20代だった彼は、もともと無口で、風貌のこともあって、他の巡礼者にも日本人だということがバレなかった。蒙古人の言葉を覚えて、大勢のキャラバンにも紛れ込んで一緒に旅をした。

計画は、まだ何も無いけれど、そうかそういうことだったのか、と、唸った。次に行くのはいつだろうと思っていたら、そういうことだった。京都で始まって、今までゆっくりとうごめいている又サニーが、何を拾ってくるだろうか。訪れたい場所は、沢山ある。

Pass京都編のこと

2024年04月10日

この家と暮らしが手狭になった。"Pass"ができたころから、それが明確になった。この暮らし、と言っているのは、今の山小屋の暮らしで、3年前の今頃は丼ぶりに蕎麦を盛って、畳に直接置いて食べていた。それくらい、モノが無かった。玲ちゃんは、新宿から時々遊びに来ていた。

3/16昼間

2024年03月25日

新幹線で名古屋に向かった。また新幹線を使ってしまった。ブラジルコーヒーで夕方にリハがある。新幹線の中で、公衆電話からの着信。先に着いたからと、ショーキー。ショーキーは昔から携帯をもたない。

2023 11.2.3..4..5

2023年11月05日

日ノ出町の駅を出て少し歩いて、大岡川のほとりで水中をのぞき込んでいる。日の光を受けながら、良型のチヌとか、ボラの群れが、悠々と泳いでいて、暖冬の幕開けに相応しい。そこで、メンバーと連絡を取りながら、携帯に詩を打った。いい日和だからか、ガザで子供が死んでいるからか、時が時として、そのまま、流れてしまっていることが口惜しい。

たびは

2023年09月03日

せかいの裏側にいるような、うしろめたさよ

トンネル

2023年04月20日

の中に頭を半分突っ込んだような形で、電車が緊急停車した。どうやら、一本先に走っていた電車が先の駅で人身事故を起こした。座席が半分埋まった自分のいる車両では、一時間くらいのあいだ、人々が閉じ込められた。アナウンスは陳謝し、乗客はうなだれている。蒸し暑い、旅の終わりで、鳥取からバスや新幹線を乗り継いで、横須賀まであとちょっとのところだった。ようやく最後尾のドアが開いて、夜の線路の上を乗客が一列になって歩き始めた。ゆっくり、無言で歩く人たちは、なんだか小さな罪を分け与えられたみたいだった。終電も終わって、みんな帰る手段がない。罪と同時に、試練も分け与えられたのか。

アーリーステイジ

2023年01月11日

東京では中高を過ごして、酎ハイを飲んで友人と有栖川公園の池に飛び込むくらいがせいぜいの発散だった。なんだか、「ハテナ「?」」が多かった。スケボーはやっても乗れないといえばそうだし、あまり練習しなかった。でもこうして20代を終えてから関東に戻ってきて見回すと、魅力的な人が、点が線なかんじで、ほんとうは、いっぱいいる。気づいたら、みんな一生懸命やっている。そこが、すごくいい。横顔がいい人。そんなこと言ったらあさはかだけど、そんな風景が、本当に、高速で連鎖している。

あばかれたせかい

2021年12月27日

これはきっと綺麗なものでしょう。何でも曇りなく伝達してしまう、つやつやで透明の粒子たち。この空気が、まちゆく人々の体を包み込んでいる。織物と織物のスキマに空気の層ができて、その中に熱がこもっては、ぽぽぽっと放出される。

imanari tetsuo

 
CNDRL WORKS
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう