ムダイ
2021年07月06日
開け放った鉄扉の奥に、暗闇があって、街灯がうっすら差し込んで 、中にいる数人をぼんやり照らしている。その人たちの目の前には、大きな絵。でも見えない。真っ暗なので、姿がない絵。そういうものを、見に来た。潮の匂いがした。なんかいい匂い、と思って身を任せた。自分だけが、この絵が血で描かれたことを知らなかった。このことをその辺の小説みたいに書くことを今やめた。
開け放った鉄扉の奥に、暗闇があって、街灯がうっすら差し込んで 、中にいる数人をぼんやり照らしている。その人たちの目の前には、大きな絵。でも見えない。真っ暗なので、姿がない絵。そういうものを、見に来た。潮の匂いがした。なんかいい匂い、と思って身を任せた。自分だけが、この絵が血で描かれたことを知らなかった。このことをその辺の小説みたいに書くことを今やめた。
猫がみてる。恋だろうか。いつもより乱暴な姿勢で、鼻を押し付けたから、驚かしたかもしれない。冬が近づいているから、町の音がよく聞こえる。あなたのことを思ってるのに、世界がどんどん天かすのように揚がっていく。商店街を歩いている。商店街を歩くのが好きだったから、安心して歩こうと思う。けれども意識は天井のない空や、蓋のない地面のほうに吸い寄せられていく。はじめ、僕は何だったのか。思うでもなく、誰かに聞かれるでもなく、だらっと横たわった大きな問いに枯葉や潰れたギンナンを足で刷り込んでゆく。不機嫌な風に見えるけれども、本当はうわついている。15号線にタクシが飛ばす。感情のない車とギンナンのにおいが、これから起こる生々しい出来事を覚悟しろと言っている。朝は17歳夜は70歳。手が動かないのが嫌で、つい...
知らず知らず 汗をかいて 始まったんだ
十代がフラッシュバックするのはきっと週四日しか仕事がなかったり、実家でミニトマトを栽培したりするから。
天気があんまり晴れたから、悪口言ったりののしったりするのも忘れて、気持ちよく挨拶してしまった。
かわいいだけでへっちゃらなんですう
私がひいてみたい曲を そのとき弾いている港の夜があるだろうか
ほってり酔っぱらって路地のあちこちで光っている蛍と一緒に
下北沢の花売り娘 そばかす 京王線 夕焼け