ことばのうぶ毛
新しいアルバムを作った。同い年のアーティスト、阿部海太君と共作で作った。コロナ禍か、収束してきた頃か、横須賀に引っ越してきて、これから何をしようかな、と、ぼんやりしていたころ、飯島商店で海太君の展示がやっていた。現代のひとでは、誰にも似ていない。キナリの布に、縮れた曲線を思いっきり乗せていた。京都で小さな店をやっていたころ、海太君の本が善行堂という本屋で平積みになっていたのを手に取って、そのまま買って、店でよく見ていた。そのことを、本人に伝えた。その本はkiteという自主レーベルのものだった。絵が光ってるよね、と賢いユリシーズの大濱君が言っていた。光ってる。そう思う。あの頃の自分もなんだかぼんやりしていた。そんな気がする。はじめて会った彼は、落ち着いていたし、なにか急いでもいた。わけの...