暮れの大聖堂

2019年12月18日

みんなが寝たと思った。ペットボトルの水中置換装置、へんな装置で煙を五たび吸ったと思ったら、見回すと芯として。目の前に倒れた誰かの足にキスをした。顔を蹴った足の持ち主が、毛布を掛けてくれた、冬。あなたはだれ?

冬の初めに訪れた友人の家は、もうなくなってしまう。取り壊されてしまう。見ればわかるあばら家だから、周りの者は喜んでいるかもしれない。この家から朝這い出して、タバコを吸ったり体操をしているとき、妙に楽しいんだけど、何にもやる気がわいてこない、それでもいいやと思ってソバをすする。そんな感じの朝が多かった。中島みゆきのキツネ狩りをLPできいた。ルーリードのブルーマスクをさらった。そんな時にばっかり、名古屋に来ていただけかもしれないけど、とにかく、僕は旅にでなければならない。ぼくは旅に出なければならない。

ティーカップを君は傾けた

そしてこっちを見た

こちらも挨拶にこたえたいから、カップを傾けて、

ティーとティーが水平線に在ることを確認した。

少しして、こっちのティーが少し低い。

あなたのティーが、さっきまで低かったのに。

おかしいね、無くなっちゃう。

なのになくなんない。

きっとだれかのいたずらだろ?

ぼくらいつまでこうしてる?

しめくくれ

しめくくれ

くくれめし

シティーポップ飽きちゃう

おれも

「越路のショートヘアにすべてがかかってる。ブラジルでもなんでもいい」

いつも断片的

すきなひととかいるの?

「昔々五木寛之というひとがいて小説を書きました。彼が書く船は横浜からウラジオストーク目指して緩やかな船出を始めました。船上のバーでは生演奏のジャズです。なにが良いのか、どうして懐かしいのか、とにかくジャズです。ジャズはそういう生き物です。とにかく立ってきいてみるのです。トランペットとアルトサックスが小競り合いです。若いバトルはすぐに勝負がついて、勝ったペットは立ったまま眠り、負けたサックスは海に飛び込みました。東京では東京自体の是非をめぐって学生が暴れています。案外、未来のことは誰も語ってくれないのです。きっと興味がないからでしょう。それでも、この旅を楽しいものにしてくれる人や動物が、彼の周りにはたくさんいるようでした」









imanari tetsuo

 
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