山に行ったら

2019年09月17日

奥多摩を一日かけて散策した。駅から車道を歩いてマスの養殖場なんかを眺めて、山に入って滝を三つ見た。滝を近くで見るのは実は初めてなんじゃないかと思うくらい、風が吹いていた。しぶきが顔に吹き付けてくる。この滝は何歳だろう。大きな岩を、何年もかけて切っている。きっと夜中も同じ音を立てて切り続けている。滝のしぶきに巻き上げられて、山椒のようないいにおいがする。登山者が踏んだ山の実が潰れて匂っている。Tちゃんは二回目の滝だけど、淡々と前を歩いて案内してくれる。時にウサギのように走り出す。山道は、だんだん登ってゆく。小さい沢と山道が交差するところで、沢のずっと奥まで見渡せる。奥の奥にはきっと動物が暮らしている。水を飲んだりしている。緑と木漏れ日の先を目を凝らしてのぞき込む。沢の石段がずっと先まで、在る。山頂らしいところからケーブルカーで青梅線の駅に降りてゆく。普段着でも来れてしまうこの山は時間が止まっていて、子供や女の子、老人や犬もいる。みんなケーブルカーののんびりしたテンポが好きで何度も来ている。

青梅線で二人で爆睡したあと、高円寺で降りてマッコリを飲んだ。そのあとSさんの演奏を聴きに行った。SさんはOさんの美容師さんの様だ。Oさんはわざわざ京都から歌いに来てて、マイクスタンドが上手に当てられないでいる。不器用に歌うからすかさずSさんのギターがブロウする。店主のTさんは長野に移住すると告白している。立て続けにそばにいたM君と東京の悪口に花が咲く。東京というかアンビエント。

いい休日をありがとう。


imanari tetsuo

 
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