好きといえばいいのに
2020年03月25日
天気があんまり晴れたから、悪口言ったりののしったりするのも忘れて、気持ちよく挨拶してしまった。
長いキルトをはいて、細い足を組んでアコーディオン弾いたはあの人。
ベレー帽は黒。白い縮み木綿のシャツに、ほんとうは 汚れがいっぱい染み込んでいるは野ざらしのミュージシャン。
屋台仕込みの灯しか彼女を照らせない。つかれてスープをすすると前髪が下がる。
本当の姿は見せられない。
わかっているのは、彼女は日本人じゃなくって、南京とか、杭州とか、中華のどこかの生まれ
子供のころはお尻に大きな穴があいたオムツをはいてて
六人姉妹の末っ子
家は黄色い土でできた建物で
路地の真ん中には人工の小川が流れてて
その川の水で、母親は 洗濯も、用足しも全部やってた。
そんなひとと
そんな昔話と、二人きり
覚えていないくせに、
素敵な素敵なコロナの旅
;:」須山久美子