墓参りのようなこと

2019年05月02日

①ユニック車で庭石を積みながら彼が帰ってきた。ユニックのディーゼルの音はすぐに近づいてきて、急ブレーキかけて着いた。キッチンからぼうっと外を見ていたら、車が突然、あ、っと窓を覆った。窓は開け放たれていて、砂ぼこり、入ってきた。遠くのアルプス山脈の景色が、車で遮られた。彼は、ただいま!と言って玄関からドカドカ入ってキッチンに来ると、彼のお嫁さんと僕がキッチンのテーブル席で、おかえり。迎える。彼はすごい速さで「どん平」を三つ袋から出して、どんべいかってきた!と言って、マル子、お湯!といって湯を沸かさせた。前夜も同じキッチンで飲みすぎて、三人ともあんまり寝てなくて、ほとんど寝ないで仕事に出た彼が昼休みに帰ってきて、みんなでどん平を食べ終わった。そのあと彼だけまた仕事に行った。見送って、二人でぼんやりしている。相変わらず晴れている。燕がないたり、用水路に雪解け水が流れたりしている。まだヒンヤリする4月の空気を、ガットギターで切ってみようとしてもすぐにヒバリに持っていかれてしまう。そんな夢をみた。とても広い家にいる夫婦の夢。

②父親の故郷長野市吉田は長野駅から列車で数駅の郊外で、リハ後の時間にちょっと、どんなところか見に行った。いったことがなかったし、親せきはもうだれも住んでいないから行く必要も全くない。駅前に旅館みたいな銭湯があって、車がビュンビュン走って、ピカピカのでっかい小学校がある。舗装されてない小さな川があって、タワーマンションがある。蔵があって、医院がある。それでもって、ぐるりには、夕焼けに真っ赤に染まった山々があった。

③東京に住もうと決心しても物件がなかなかつかまらない。あんな狭いとこ普通住めるか。NO NO いっちゃだめとジェーンバーキン姉さんが言うから東京なんて住むべきじゃないってすぐわかる。しかしこんなかんじで上京する。するとセルジュがお出迎え。スーツに隠した金のサックで環七の暗い路地に沈められた。

⓸ピヨッてここは逗子の畑。ピアノの特訓中である彼女に電話すると、あら、鳥の声が聞こえるわね。飛行機の音も。そう。ここは米軍駐屯地の山のちょうど裏っかわ。耕運機なんか使ったらすぐ捕まっちゃうよ。そのかわり、枯葉剤なんかは、御法度だ。相わかった。一握りで掴めるもんしか持ち込んじゃダメなんだろ?相わかった。両手両足で、持ち込めるもんは全部、この山に置いていくよ。前日に雨が降り続いたから、今日は行くつもりじゃなかったけど、ゴールデンウィークだし畑に久しぶりに出向いた。急に晴れ間が差したから、悟って、思い切って夕方に行った。ぐちょぐちゃぬかるんだ畑道。たいした作業はできない。ただ見に行った。草を抜いて、ハヤトウリを三つ植えた。

imanari tetsuo

 
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