何年も
2019年05月05日
10年も、もちろん始めは無意識のうちに、恋人のような母のような感じでずっとそこにいて、無造作に、藁を敷くように、ずっと音を重ねてきた姫君を、愛してしまってそこから動けません。目を凝らし(メルコラサン)見えない織目が見えてきました。気づいていたのに、気づかぬふりを、していたのです。なんて卑しいナリなのか。ああ乞食同然!もうどんな風も通さぬ。プロトタイプの恋です。鉄の鎧を脱ぎ去っても。皮膚がまるで甲冑のようになってしまいました。夏の昆虫が、動けないくせに、異常に熱っぽいのです。もはやバンドではありません。ロックとかパンクとか、どこの空。目抜き通りのクリスマスは、散らばってくれませんでした。後ろ指をさされても、そこには背中がありまあせん。旅の仕方も忘れました。健全な旅をしてはいけないと、健全な演奏をしてはいけないと、誰もそんなことは言いませんが、僕にはわかっています。一人でやることが無くなりました。名古屋