トンネル

2023年04月20日

の中に頭を半分突っ込んだような形で、電車が緊急停車した。どうやら、一本先に走っていた電車が先の駅で人身事故を起こした。座席が半分埋まった自分のいる車両では、一時間くらいのあいだ、人々が閉じ込められた。アナウンスは陳謝し、乗客はうなだれている。蒸し暑い、旅の終わりで、鳥取からバスや新幹線を乗り継いで、横須賀まであとちょっとのところだった。ようやく最後尾のドアが開いて、夜の線路の上を乗客が一列になって歩き始めた。ゆっくり、無言で歩く人たちは、なんだか小さな罪を分け与えられたみたいだった。終電も終わって、みんな帰る手段がない。罪と同時に、試練も分け与えられたのか。

それなら希望も。。

踏切の間から国道に抜け出して、歩いて帰ることにした。二時間歩いて、家に着いた。旅で出会った人たちのことを考えながら、リュックサック二つ担いで、どんどん歩いた。

歩きなさいってことだきっと。

imanari tetsuo

 
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